【寄稿】《 HP表紙写真 》川辺であそぶ親子鳥

程久保川の川辺で観察されるカワセミについては、以前に本サイトで紹介しました。

【寄稿】珍しいカワセミの写真を撮りました
12月12日 午後、先日からの冷たい雨が上がり、晴れ間が見られるようになりました。こんな時には、カワセミをよく見かけますので出かけてみました...

今年は新型コロナウィルスで大変で、毎朝の散歩にも気を遣う状況です。自宅から歩いて7~8分のところの程久保(ほどくぼ)川両岸の遊歩道は人の往来も少なく安心して歩けます。週に2~3回はカメラを持って撮影に出かけますが、今年の目標はカワセミの飛翔の様子と雛の写真を撮ることです。

程久保川は浅川の合流点から多摩動物公園の前を通り、今は閉鎖されている 「多摩テック」 付近までの全長約4km、川幅10mほどの小さい川ですが、多摩川水系に属していることから一級河川になっています。先日、カワセミ以外の鳥の雛と成鳥を何枚か撮ることができましたので、今回はカワセミも含め、“親子鳥” をテーマにしてご紹介します。

程久保川に生息するカワセミについては、京王線の線路を挟んで上流、下流とグループを別にしているようです。私は両方の観察をしていますが、自宅に近い上流付近のカワセミについて何枚か撮ることができました。

写真1は雀の親子、写真2はキセキレイの親子です。

写真1 雀の親子

写真2 キセキレイの親子

写真3はガビチョウの雛です。ガビチョウは、台湾、中国南部やインドシナに分布する鳥で、日本には観賞用に持ち込まれており、それが逃げたものといわれています。このときは3~4羽の雛が見られましたが、親鳥は見られませんでした。写真4は以前に撮ったたガビチョウの成鳥です。

写真3 ガビチョウの雛

写真4 ガビチョウの成鳥

本サイトの表紙にもUPしていただいた、カルガモの親子の写真(写真5)は、2020年7月3日に撮ったものですが、その後雨の日が多く増水しました。雛は両岸に避難も出来ず、親子ともに下流に流されたようで、その後見ておりません。近く下流域に行って、その行方を確認してみたいと思っています。

写真5_カルガモの親子

さて、カワセミは春先にオス、メスが縄張りを争いなから飛び合います。写真6では、オスとメスがたまたま同じところに止まったと思われ、珍しい光景です。手前がメスで、奥がオスです。3月中旬になるとカワセミに求愛行動が見られるようになります。オスがメスに餌をあげ、メスが受け入れるとカップルの誕生です。写真7のように、餌を加えたオスがメスに近づいていきますが、この時はメスが受け入れたかどうか確認できませんでした。

写真6 カワセミのメス(右手前)とオス(左奥)

写真7 カワセミのオスの餌をくわえての求愛

ところが4月中旬に写真8のように、カップルが確認できました。その後、餌を運ぶ親鳥が確認され(写真9)、餌の持って行く方向から、巣は川から50m位離れた高台にあると推察しました。

写真8 カワセミのカップル誕生

写真9  餌を運ぶカワセミの親鳥

雛を見ることができるのは6月中~下旬ですが、今回は7月11日にメスの親鳥をを見ました(写真10)。しかし雛はまだ見ていません。すでに巣立ったのか、あるいは今回は子育てに失敗したのか・・・。カワセミは年に2回、時に3回子育てをするといわれています。親子の観察は今後に期待します。写真11は2019年6月22日に撮ったカワセミの雛です。雛は、胸の毛に黒い毛が混じり足も黒色ですが、この黒色がなくなると成鳥となった証です。

写真10 カワセミの成鳥(2020年7月11日撮影)

写真11 カワセミの雛(2019年6月22日撮影)

(G-S34菊地芳朗)

【編集者註】 程久保川(ほどくぼがわ)は多摩川水系の一級河川です。流路は日野市、流域は東京都日野市程久保-三沢-落川地区です。かつて遊園地や温泉施設として賑わいをみせた、多摩テックのあった付近を源流域(都道155号線程久保6丁目交差点)とし多摩動物園前を流れ、浅川と多摩川に合流する全長約5km、川幅10m内外の河川です。

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